ペットその1

ああ、きみたちはそこが30センチにも満たない水槽だってこと、おおきなせかいのちいさな国の、ちいさな家庭の、かたすみに置かれた、水槽の中だってこと、しらないのか。

にせものの淡水のあじはおいしいのかな

カルキはちゃんと抜かれているかい

1日3回の、ピンク色のちいさい粒は、どんな味がするんだろう

静かに寝静まった夜は、酸素のポンプがじりじりきこえる

そこにいるダイバーはほんとじゃなくて、ホントのダイバーってのは、もっとデカくて、私くらいデカくて、子どもの体重くらいあるボンベを背負ってる

増え続けるタニシを片目に、スイスイと泳ぐ、物思いにふける暇なく、真っ直ぐ泳ぐ、さかなちゃんたちよ、