考えごと。
私はいわゆる歓楽街や、ネオン街が苦手だ。
そして、歌舞伎町が滅法それにあてはまる。
逃げたくなるし、そこにいる大人たちが嫌いだ。
だけど、その居心地の悪さが病みつきになるときがある。
私は「歌舞伎町」という「コミュニティ」を客観視するのが案外好きなのかもしれない。
そこに潜む人間を見るだけで、日々平凡に飽きている自分に、何かを訴えかけてくるエネルギー をもらえるような気がする。
もともと私は感受性が人より豊かな様で、
初めて歌舞伎町に行った時は人間の密度と人間の魂の濃さに圧倒された。
初めて訪れたとき 私は
しばらく歌舞伎町のことをかんがえていた。
大人はこんな場所を知っていながら 私たち子供を教育しているのかと
でも、こういう場所がないと、大人は大人でなくなってしまうかもしれない。
娯楽を娯楽として嗜めるようになるのも、子供にはわからない社会に携わる大人たちの特権なのか…
当時16歳程の自分は、歌舞伎町に対して異様なほどにドラマ性を感じていた。
私は物心ついた時から、世に蔓延る 裏のすがた に惹かれていた。
思春期の男の子が女性の裸に興味を持つように、表面からは想像がつかない、裏の部分、闇の部分を妙に知りたがった。
何故だかわからなかった。
でも実際、歌舞伎町に出くわした時(その時はたまたま迷い込んでしまった)、自分の感受性のキャパオーバーを感じてしまったのだと思う。
大人計画という劇団がある。松尾スズキが主宰となっている有名な劇団だ。(宮藤官九郎、荒川良々、平山紙、阿部サダヲなどが有名)
彼らが作る演劇はまさに、世の中のタブーや闇を実に皮肉的に表現している。
この劇団に出会って、自分は「世の中はこんなに腐ってない!捨てたもんじゃない!」という新たな感情を手に入れた。
歌舞伎町と大人計画は私にとって似ている。
闇っぽさを目の当たりにする引き換えに、自分の目で見たこれまでの世の中を優しく肯定してくれるのだ。
先ほど述べた、エネルギーとは、「肯定」だったのかもしれない。
こんなスタンスで、これからも明るく生きていこうと思う。